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さて、早いもので11月も今日でもう終わり。コロナ休業明けから半年が過ぎました。
という事で、またまたやって来ました。
いつもジムでかかっている曲を紹介するこのコーナー。
ボクシングとミュージック その117は、Pet Shop Boys のセカンドアルバム、「Actually」(これ、超のつく名盤です)から一曲。「It's a Sin」です。
このコーナー、100回以上続けているとどの曲をやったか分からなくなるので毎月紹介した曲をメモしております。
「It's a Sin」はもうやったと思ってたんですが、リストを見るとまだだったので、今回ご紹介します。
この「It's a Sin」は私が初めて聴いたPet Shop Boys の曲で、当時中学2年くらいだったと記憶しています。
Pet Shop Boys についてはこれまでに書いてきたと思うので、今回は割愛します。
で、「It's a Sin」なんですが、実にPet Shop Boys らしいメロディアスで、どこか物悲しさの漂う曲です。
内容としましては「道を踏み外して生きてきた男の告白」です。心を入れ替える事が出来ない、正しいとされる生き方をする事が「理解出来ない」(←これ、重要ポイントです)事への懺悔のような内容です。
ポップミュージックのテーマと言えば、「恋愛」が歌われていることがほとんどですが、そうでなかった事がこの曲への関心を高めました。
曲中ではこの「sin(罪)」というのがどんな事なのかまでは具体的には語られておらず、ただ「自分の心から望むこと」(want やwish ではなく、より強い意味での表現として long to do=《心から望むこと》 が使われています←重要ポイント2)と歌われています。
ちなみに「sin」は宗教的な意味合いでの「罪」であり、同じ「罪」を表す単語では「crime(法律上の罪)」があります。
「crime」ではなく、「sin」の方が使われている(←重要ポイント3)事に、この曲の奥深さがあります。
この「心を入れ換える事の出来ない男」はどこへ向かっていくのだろう・・・。
当時は単純にそんな風に思って聴いていました。
ですが、この曲に込められたテーマというのが後年のメンバーのカミングアウトで明らかになっていきます。
実はこの曲、ヴォーカルのNiel は少年時代、カトリック系の神学校で生活していて、その当時の彼の想いがモチーフになっており、本人のカミングアウトによると、彼は同性愛者なんです。
今でこそそういう人たちの人権が尊重されるようになってきましたが、当時は差別的な見方をされるのが当たり前の時代で、カトリックでは同性愛というのは御法度。
「自分の心から望むこと」は「sin= 罪」である。
それに苦しんだNielの苦悩というのが込められていたようです。この曲に出会った時はそんな事考えもしませんでした。
当時は「恋愛ソング」ではないという認識でしたが、そういった意味ではこれもある種の「恋愛」がテーマになっていると考える事も出来ます。
うーん、深い曲ですね。ミュージシャンと言うと一様にアーティストと言われる事が多いですが、「歌が上手く歌える人」、「楽器を上手く演奏出来る人」はシンガーやプレイヤーであり、このように曲に深いテーマを巧みに盛り込み、その世界観を楽曲で「創作表現出来る人」こそが本当のアーティストだと思います。


「It's a Sin」のPV↓
https://www.youtube.com/watch?v=dRHetRTOD1Q
ちなみにPVでは、《sin》は「強欲」、「暴食」、「憤怒」、「怠惰」などの宗教的な「罪」として描かれています(当時はまだ本人によるカミングアウトはされていなかったので)。

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